無事に住む家が決まり、入居してきて6日が経ちました。まずはNZでの我が家ができたということにほっとしています。

人生で初めて経験する「住む家がない」という状況と、異国の地で一人きりでそれを攻略していくことが、ここまで精神的にしんどいとは思っていませんでした。ワーホリって簡単そうに聞こえるけど、みんなこれをやってるんだと思うと「たくましいな」と称賛の念に堪えません。

この記事では、私の家探しの奮闘および挫折と教訓を共有します。

目次

マイホーム・マイルームの紹介

オークランドの中心部から北へ車で30分くらい行った、地図上にマルをつけたあたりに住んでいます。近所のビーチが有名で、夏休みシーズンの今はとてもにぎわっています。




こちらでは海の近くの家でもあまりモノが錆びないと聞いたけど本当だろうか


家は築十年弱の二階建て一軒家で、デカいです。NZの人口密度は日本の1/18くらいということで、さすがに土地の使い方が贅沢です。ルームメイト(フラットメイト)はNZ人(Kiwi)の20代男二人です。彼らとの絡みもいずれは紹介したいですが、ここでは家の話だけにとどめておきます。

自分の部屋はこんな感じです。もとが家具が何もない部屋だったので、ベッド一式とコンパクトに作業スペースを設営しました。ニトリやAmazonに頼れないので勝手がわからず苦労しましたが、おかげで色々なお店の品ぞろえが勉強できました。ベッドは「キングシングル」という初めて聞く名前のサイズにしました(たぶん日本で使っていたシングルと同じ)。



ハウスハンターの活動

内見(Viewing)の依頼

Preparationにも書いた通り、各種掲示板やFacebookでよさげな家を探すのですが、いざ始めてみると市場のスピード感に驚きました。昨日アップされた物件に今日連絡して明日の内見を予約したら、その日の夜に契約が決まったので明日の内見キャンセルで、みたいなこともありました。ピンときた物件への即断即決のアジリティはもちろん、ピンとくる物件がアップされるのをじれずに待ち構える忍耐も求められることを学びました。「〇日後にそちらにいくのでそれ以降で内見お願いできる日を~」みたいな悠長なやりかたは通用しなさそうです。逆に言うと、長く残っている物件には残っているなりの理由があるということなので、ネガティブな要因(あたりまえだけど書いていないことがほとんど)の見極め力も必要です。

最初のメッセージの文面は最終的にこんな感じになりました。

Hello!

I am [my name], on working holiday from Japan. I saw your flatmate ad in [site name] and contact you. Please find my detailed self-intro at the bottom.

I am looking for a room around your place to do farming jobs (half-one year). If it’s still not rented, I am interested in visiting your flat. Could you let me know when it would be fine to you? (my calendar is basically free now, so the sooner the better for me)

Thank you for your consideration!

– About myself –

I am 29 yo male, non-smoker, precise and tidy. I like soccer, hiking, and dripping coffee. My Linked in: [LinkedIn URL]

私のオークランドでの家探し4日間の戦績は以下の通りです。

  • 内見依頼の連絡をした物件数:9
  • 返事があった物件数:6
  • 実際に内見に行った物件数:4

いざ内見へ

聞きたいことをリストにして会いに行きます。英語で聞き取れる内容には限界があるので、できるだけキーワードだけで必要な情報をゲットできるようにしたいところです。

物件の良し悪しだけでなく、オーナー・フラットメイトと良い関係を築けそうかという確認も重要です。私は、メッセージのやり取りや会って話した印象で少しでも違和感を感じたらそこはやめておこう、ということにしていました。

直接家とは関係ないアイスブレイクのネタも用意していくと、たくさん話ができて一緒に住むイメージがしやすくなると思います。フラットメイトの仕事や趣味、日本について知っていること、おすすめの観光地を聞くとかでもいいと思います。それと私は、日本から持ってきていたお菓子を手土産に持って行っていました(結局一回しか出さなかったけど)。

オーナー視点で自分を選ばれる立場として考えると、英語は不自由なうえワーホリで短期の滞在というのはかなり良くない条件に思えます。時間をとって内見をさせてくれるだけでもありがたいことなので、とにかく礼儀正しく、思っている三倍くらいThank youを言っていくことを心がけました。

私は、最後の内見で今の家が気に入ったので(内見前から八割がた気持ちは決まっていたけど)、その場で契約させてくれとお願いしました。これだけスピード感のある市場で即決できないのであれば、そこはやめておいたほうがいいという深層心理のアラートかもしれません。

決め手

なによりも、物件がきれいで住人にも清潔感があったことです。後述する衛生観への挫折を経て、ある程度きれいな家にしか住みたくないというマインドになっていました。10年以上のひとり暮らしで自分だけの快適な環境に慣れてしまったことに加えて、コロナ禍での意識の変化もあるかもしれません。

次に、オーナーである同居人が親切でおしゃべり好きなことです。英語上達のために思いがけない好条件です。実際に一緒に生活しはじめて、けっこう気を遣って手加減しながら話してくれるのことに申し訳なさは感じますが、そこは割り切って甘えることにして、家事などほかのできることで恩返ししていこうと思っています。歳も近く、エンジニアで、日本のこともよく知っている(特に料理)、など共通点が多いことも幸運だったと思います。

はじめに考えていた予算やワーホリの相場と比べると高い物件ですが、慣れない海外生活で一番落ち着ける場所になる我が家に妥協はしたくなかったので、そこは目をつむることにしました。お金は働けばよいということで。

挫折

地方への移動を断念

年明け早々に南島のネルソンという町に移動して、そこを生活拠点にする計画でした。オークランドから内見依頼のメッセージをたくさん送りましたが、以下のように予約を取り付けるだけでもかなり大変でした。

ネルソンの家探し5日間の戦績

  • 内見依頼の連絡をした物件数:12
  • 返事があった物件数:6
  • 予約ができた物件数:2

加えて、予約ができた2件とも前述の「残っているなりの理由」がある気配がしたので、この状態で移動して果たしてうまくいくんだろうかという不安がありました。

そんなときに、景気づけにと入った日本食居酒屋で同じくワーホリで来ている日本人の店員さんといろいろな話ができて、移動にこだわらずにたくさん選択肢のあるオークランドにとどまってもいいのではという気になり、次の日には計画を変更するに至りました。



ここでの敗因は、

  • 先に挙げた通り、現地にいて「今日これから」とか「明日行けます」でないとそもそも厳しい
  • メッセージがよくなかった(自己紹介をほとんどせずにこちらの希望だけ伝える一方的な文面)
  • 最初から難易度の高い(物件数の少ない)田舎を狙ったこと

だと思います。よほど英語ができるとか、どんなところでも住めますという人でなければ、まずは物件数や日本人が多い都市部からはじめるのが無難だと思い知りました。

ホステルに泊まれない

入国して4日間はきちんとしたホテルに泊まって、それ以降は6人部屋のホステルに宿を変えるように予約をしてました。いざそのホステルに行ってみると、ゴミだらけで、換気も全くされていなさそうな、暗くて蒸し暑い地獄のような部屋(写真撮っておけばよかった)に通されて、一瞬で「これは無理だ」と元のホテルに引き返して延泊しました。結局、いまの部屋に入居するまで2週間弱はずっとホテル住まいでした。

来て早々にダニやシラミにやられたり(実際そういう人の話もちらほら聞いた)コロナや変な病気にかかりたくなかったので、買える健康は積極的に買っていったのは正しい判断だと振り返っています。

とはいえ、この先の家や仕事も決まっていないのにどんどんお金が出ていく状態はかなりのストレスでした。自炊もままならないし外食は高いので食費も気になるけど、食べないわけにはいかないし。さっそく見積もりになかった大きな出費になりましたが、お金は働けばよいということで(1000文字ぶり2度目)。

これから

新しい我が家での家事は日本と勝手が違ってまだ大変です。特に自炊は、東京でほとんど本気でしていなかったこともありますが、食材の種類・サイズ、調理道具もけっこう違うので慣れるのに時間がかかりそうです。こちらではエアフライヤー(ノンフライヤー)が一般的なようで、使い方を教えてもらって唐揚げを作ったらおいしくできました。あと、エスプレッソマシンがあって幸せです。こんな調子でのんびり楽しみながらいい暮らしを求めていこうと思います。





次は車を買った話を書きます!